「国籍を問わず、広く国際的視野を有する人材の育成」を目標に活動しています。人と人とのつながりを重視し「体験と対話」「相互交流ネットワークの構築」を共通コンセプトとする活動範囲は、留学生向けの日本語教育・生活支援に留まらず、日本人学生を主対象にした教育活動や海外派遣のサポート、さらにはキャンパスでの交流環境整備や地域での共生支援など、きわめて多岐にわたっています。
活動は重層的・複合的なものばかりですが、あえて区分するなら大きく4つの領域に分かれます。
レベル別編成の「日本語A~E」、日本語予備教育コース、英語による「日本文化・日本事情」などを提供しています。なかでも短期集中型の初期適応クラス「サバイバルコース」は日本語学習と生活知識の提供を組み合わせた実践的な内容で、高い評価を得ています。
異文化理解・多文化共生の観点から見た場合、留学生教育と日本人学生教育は不可分のものであるはずです。国際連携推進機構では「日本語教員養成プログラム構想」を軸に、国際理解のための教育プログラムの提供をはじめ、短期海外研修プログラムの運営、留学相談、さらには安全確保のための体制整備などを進めています。
日本人学生への教育・支援と留学生に対する教育・支援は表裏一体のものです。留学生と日本人とが語り合い、協働し、ともに実りある成果が得られるよう、国際連携推進機構では日本語学習支援ボランティア「J-support」の組織化や大学公認学生ボランティア組織「国際交流コーディネーター(ICO)」の活動支援等、キャンパスの国際化に向けての支援活動を行なっています。また、愛媛大学留学生協議会(AISA)は、留学生相互の交流を深めることを目的としています。
当たり前のことですが、留学生の生活の多くはキャンパスの外で営まれます。キャンパス内での活動だけでなく、キャンパス外での生活も支援するため、地域のボランティア団体等と連携し、不要になった家具や生活用品を集め留学生に提供するなどの、さまざまな支援活動を行なっています。
また、地域とともに学び、育てあう「地域での国際化」を支援するため、地域の小・中学校で母国の言葉や文化について紹介する「学校訪問」などの活動を行なっています。さらに、「日本語スピーチコンテストin愛媛」の運営や日本語支援ボランティア養成のための市民講座開設など、地域における国際交流推進のための活動を続けています。
愛媛大学は、インドネシア、フィリピン、ネパール、モザンビークを国際連携の拠点国として位置づけ、国際連携活動を集中的に展開する方針を打ち出しています。拠点国における高等教育機関との教育研究の連携を推進し、各地域の高等教育機関と公的セクター、民間セクターとの連携をも促進しながら、持続可能な社会の実現に必要な地域力の向上をめざします。
活動の一つの柱としてESD(持続発展教育)の国際展開とESDを通じた国際連携を促進します。世代内(地域間)、世代間、種間の公正を保ちながら自然環境、社会文化、経済が持続的に発展する社会を構築するために、海外の高等教育と連携しながら、アジア・アフリカ地域を発祥とする自然共生型の倫理観を基調としたESD協働カリキュラムを開発し、国内・国外で展開していきます。
※ESDはEducation of Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)の略です。
愛媛大学では、日本企業への就職を目指す外国人留学生を支援するためのプログラムを2007年から開始しており、2017年には文部科学省「留学生就職促進プログラム」に採択、2021年には文部科学省「留学生就職促進プログラム」に認定されています。プログラムを運営する留学生就職促進プログラム推進室は、愛媛県、経済団体及び地元企業、留学生や若者の支援団体等と連携し、”オールえひめ”で留学生を育て、優秀な外国人材として日本での活躍と定着の促進をはかります。
また、地元企業と協力し、授業やインターンシップ、就職活動に関連したイベント等を実施することにより、留学生の地元志向をはぐくむとともに、日本人学生と企業の社員も一緒に参加できる仕組みを作り、互いに学び合い、日本社会やダイバーシティ(多様性)への理解を深めるプログラムを実施しています。
愛媛大学は、学術交流協定締結校等に、締結先と連携した教育・研究活動を機動的、効果的に展開するため、愛媛大学海外サテライトオフィスを設定しています。現在、設置されているサテライトオフィスは、4カ国6大学に設置されています。サテライトオフィスを通じて、双方向の学生交流(留学生の受入れ、派遣の支援)、教職員の相互訪問、国際共同研究などを推進しています。