国際連携推進機構長
副学長(国際連携・人権担当)
光信 一宏
近年、世界的規模で、社会、経済、文化の国際化が加速度を増しながら急速に変化、発展しており、大学が担うべき社会的役割として、地球的規模で物事を考えられる教養を持つ人材の輩出は重要な使命となっています。
大学のこうした使命を果たすため、国際連携推進機構では、「世界とつながる大学」という愛媛大学憲章の掲げる基本理念に基づき、国際戦略の構築、国際連携事業の推進、学生の国際交流の強化等を通じて愛媛大学の教育・研究の国際化および人材育成に寄与することを目的として活動を行っています。
本機構には、「国際連携企画室」、「国際教育支援センター」および「アジア・アフリカ交流センター」が設置されています。
「国際連携企画室」では、学術交流、学生交流、国際交流ネットワークなどを柱として、海外の大学や国内の大学との連携を図る環境作り、学内の諸学部や諸センターと連携を持つシステム作りなどを企画し、国際連携に必要な事業の強化・推進を行っています。
「国際教育支援センター」では留学生向けには日本語・日本事情教育、日本人学生向けには異文化理解や海外研修などの教育プログラムを提供するほか、広く国際的視野を有する人材の育成を目的とした活動を行っています。
また、キャンパスの国際化だけでなく、地域における国際交流を支援するための諸活動にも積極的で、国際交流を通じての地域貢献にも努めています。
「アジア・アフリカ交流センター」では、インドネシア、フィリピン、ネパール、モザンビークに設置されているサテライトオフィスを活用した教育研究活動の推進をはじめ、各地域の高等教育機関や公的機関と連携しながら、SDGsの達成に必要な地域力の向上をめざしています。
愛媛大学は四国の大学でもっとも多くの留学生を受け入れており、2017年度の文部科学省「留学生就職促進プログラム」に「愛媛の大学と企業が育てる高度外国人材育成プログラム」が採択されました。
本プログラムは、ビジネス日本語教育・キャリア教育・インターンシップを3本柱として、卒業・修了後の日本企業への就職や起業など、日本社会のグローバル化を担う人材の育成を目標としています。
そして、本学で学ぶことを選択した留学生のために、在学中から実社会とのつながりを持ち、自己の就業力を高める機会を提供するとともに、自治体や地元企業との連携を図りながら、外国人材受入れの土壌作りを進めています(2022年度から自走化する予定)。
しかしながら、2020年から全世界で猛威を振るっている新型コロナ感染症の影響で、外国人留学生が渡日できない事態や、日本人学生や研究者が渡航できない事態が長期に及ぼうとしています。
これまで取り組んできた国際交流や海外留学、留学生受入れなどが深刻な影響を受けるなか、今後、人の往来が段階的に復活することを見据えながら、新しい国際交流の仕組みを構築していく必要があります。
ウィズコロナの時代において、オンライン・コンテンツ、オンライン交流プログラムや共同研究等の充実など、創意工夫を凝らしながら、国際化を進める教育研究環境の確保のために鋭意努力します。